蔵元直伝|「ワイングラスで日本酒」が美味しい理由

Çお知らせ蔵元直伝|「ワイングラスで日本酒」が美味しい理由

舩坂酒造店は日本酒を造り続けて約200年。日本酒を飲むときは「おちょこ」や「枡」で昔から飲んでいました。熱燗には陶器のおちょこで、注ぐと底面に柄が浮かんだりと楽しい酒器で飲んでたりします。

ですが、最近はちょっと違った形で日本酒を楽しむ傾向が見られるようになりました。

突然ですが、、、
日本酒を飲むときはみなさん、どのような酒器を使って飲みますか?

二人で飲んでる画像
 

「やっぱり日本酒は枡が一番」と、思って飲む方も多いと思います。枡の素材によって日本酒に木の香りが付着して、ふくよかな香りが楽しめますね!

枡に口付け

 

いやいや「ワイングラスで楽しむわ!」と、思われるかたも昨今増えてきてます。「ワイングラスで大吟醸」と、大手酒造会社さんがCM(コマーシャル)で放送をしているくらいですし、コンテストでも「ワイングラスで美味しい日本酒アワード」というようなコンテストがあるくらいです。

グラスで日本酒

昔は「枡」や「おちょこ」で日本酒を飲むのが定番でした。
ではなぜ、「枡・おちょこ」「ワイングラス」になったのでしょうか?


◆なぜワイングラスで日本酒を飲むのか?

ワイングラスの画像

それは、大吟醸酒や吟醸酒が持っている「フルーティー感」を十分に楽しめるからです。

「フルーティー感の要因」としてはお酒を造るときの酵母が非常に関係してきます。酵母がお米の糖を吸収することにより、アルコールを生成します。同時に「吟醸香=フルーティーな香り」も生成します。例えば、バナナのような香りの「酢酸イソアミル」、りんごのような香りの「カプロン酸エチル」、バラのような香りの「β-フェニルエチルアルコール」などです。この香の成分を十分に発揮するには香りが上に立ち昇る「ワイングラス」が最適とされております。

なぜワイングラスで日本酒はなぜ最適なのかというと、ワイングラスは丁度飲む人の「口・鼻」をすっぽり覆います。そうすることで日本酒の香りが上に立ち昇り、味がより鮮明に「軽快な味わい」と感じます。

ちなみに「おちょこ」で日本酒を飲んでみると、お酒に「重厚感」が得られます。従来の日本酒文化である「おちょこで日本酒」では感じ取れかかった日本酒の繊細さが酒器を変えることにより顕著に顕われます。おなじお酒を「おちょこ」と「ワイングラス」で注いでぜひ、検証してみてください。

◆ワイングラスにぴったりな日本酒とは

ボトル持っているお2人

大吟醸や吟醸などのお酒が非常に合います!以前お話ししたとおり、日本酒には「特定名称酒」と呼ばれるカテゴリーが存在します。

「純米大吟醸」「大吟醸」
「純米吟醸」「吟醸」
「特別本醸造」「本醸造」
「特別純米」「純米」

と「普通酒」カテゴリー分けがあります。

またこれとは別に、味のカテゴリー分けとして最近よく目に留まるのが、「薫酒」「爽酒」「熟酒」「醇酒」とあります。

薫酒熟酒爽酒醇酒

その中で「薫酒」と呼ばれる日本酒がワイングラスで飲むにはぴったりな日本酒であると思います。
薫酒の日本酒とは「純米大吟醸・大吟醸」「純米吟醸・吟醸」となります。したがって、ぴったりなお酒は「純米大吟醸・大吟醸」「純米吟醸・吟醸」となりそうですね!

◆なぜ大吟醸四ッ星は美味しいの?

舩坂酒造店の代表銘柄「大吟醸 四ッ星」は「ワイングラスで美味しい日本酒アワード2019」にて受賞した当蔵の人気ナンバー1の大吟醸です。フルーティーで香(吟醸香)が良く、キレのある辛口の大吟醸で近年皆様にご好評をいただいております。

特にこのお酒はよりおいしい大吟醸を造るために特別な作業を増やしております!それがコチラです。

皆で米さらし

↑蒸しあがったお米を一斉にみんなで放冷作業!

普通酒(上撰深山菊とか)を造るプロセスにあえて【手作業】を増やしております。昔ながらの【手作業】と【極寒の自然環境】を味方にすることで、大吟醸四ッ星の味に深みや作り手の想いが詰まってゆきます。

↑蒸しあがったお米は塊りになりやすく、冷めると大きな玉になります。そこをお米一粒一粒をパラパラにするイメージでほぐし、冷気で乾燥させる作業となります。この作業は舩坂酒造店併設「味の与平」を店休日にして蔵人総出で行います。

おいしいお酒の裏には「手間」をかけての作業を実践しているという事です。

◆ワイングラスにオススメの日本酒5選

選ぶならこれ

ではでは、どのような銘柄が最適なのでしょうか?

 

1.大吟醸四ッ星

華やかな吟醸香で余韻をのこすがキレのよい大吟醸四ッ星。派手すぎず優しく立ち昇る香りがあり、口に含むと「ふわり」と優しい米の甘味を感じます。喉越しは素直にスッと通り、口の中には、上品な米の甘味などが余韻として穏やかに残ります。お酒をメインで楽しめますが、たこわさ・からすみなどの珍味や、マグロやブリなど脂の乗った魚で楽しむのもオススメです。

2.純米大吟醸 杜氏平岡誠治

日本酒度が平均「-2」と、甘口であります。この【甘く華やかでフルーティー】という酒質がワインでいう白ワインに近いテイストとなっております。飲用時にはぜひ、ワイングラスで飲んでみてください。軽快な口当たりについつい飲んでしまうかもしれません。

3.大吟醸深山菊

2019年ミシュランガイド東海地方の特別版発表会にて振舞われたお酒です。穏やかに立ち昇る果実のような甘い香りがあり、口に含むと舌の上に広がる米の甘味とキリリと引き締まった辛さを感じつつ、喉越しはスッキリとした辛口の吟醸酒です。あとから花開くように口の中には米の甘味などが広がり、ちょっと強めの余韻が残ります。酸味が少ないので、牛ロース、タン塩などの肉料理と合わせるのがオススメです。

4.純米吟醸深山菊 720ml

この純米吟醸酒は、華やかな香りとやや甘口濃醇な味わいが特徴で、口に含むと米の甘味と旨味が広がり、キレの良い喉越しを楽しめます。
重さは感じさせず、フルーティーな感覚があります。特に牡蠣、帆立、アサリなどの貝類との相性が抜群で、料理との調和が魅力です。贅沢な味わいを求める方におすすめの一本です。

5.大吟醸四ッ星 天

大吟醸四ッ星天720ml_酒瓶

四ッ星の更なる高みを表し、その名を「天」(あま)と命名。四ッ星の中でも一番おいしいと言われる【中取り】を無濾過の原酒にて限定瓶詰めした、極めて少ない本数の一品。(中取りとは、日本酒を搾るときの順序工程の一つで、極めて香りや味のバランスが非常に良いとされているところの名称です。)一般流通販売はしておらず(特約店を除く)舩坂酒造店が試飲販売会等で実際の販売所に滞在しているときにしか販売しない一品。

以上、参考にどうぞ日本酒をお楽しみください。

次回は、「蔵元直伝 美味しい熱燗の作り方(つけ方)と熱燗の温度の秘密」をお伝えします。

それでは、今夜も地酒で乾杯!!

そしゃそやぞ☺

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